一般的な定期保険(解約返戻金なし)を使って節税する

法人保険を使って節税を行う場合は、一般的には解約返戻金のあるタイプを使います。

しかし、法人生命保険では解約返戻金のないタイプもあり、こちらもまた節税に使うことが可能です。

そもそも、定期保険では解約返戻金のないタイプの方が一般的です。

今回は、この一般的な定期保険(解約返戻金なし)を使った節税方法をご紹介します。

一般的な定期保険(解約返戻金なし)でどうやって節税するのか

一般的な定期保険では、保険料を全て損金に算入することができます。

従って、支払った保険料分まるまる法人税の課税所得を減らすことができます。

これが解約返戻金のあるタイプの法人保険だと、支払った保険料の1/2や1/3など、一部しか損金にすることができません。

保険料の支払いによる節税という点で見れば、一般的な定期保険の方が節税効果が高いと言えます。

一般的な定期保険を使った節税のメリット

一般的な定期保険を使った節税のメリットとして、次の3点が挙げられます。

  1. 保険料の支払いだけで節税できるのでシンプル
  2. 解約返戻金ありのタイプと比べ、保険料が安い
  3. 社員の福利厚生を充実させられる

1. 保険料の支払いだけで節税できるのでシンプル

解約返戻金ありの法人保険では、保険料の一部しか損金とならなかったり、解約返戻金も一部が益金となるなど、会計処理が少し複雑になります。

また、解約返戻金でどれだけのお金が戻ってくるかは、解約時期によって異なるため、ある程度計画的に運用する必要があります。

適当に運用してしまうと、法人保険を使うことで却って損をしてしまうということもあるため、解約返戻金のある法人保険を使う場合は注意が必要です。

2. 解約返戻金ありのタイプと比べ、保険料が安い

逓増定期保険や長期平準定期保険など、法人保険でよく使われる解約返戻金のある保険は、保険料が高額になる傾向にあります。

会社が十分な利益を上げ、手元に十分なキャッシュがあれば問題にはなりませんが、業績の悪化などが重なると、保険料支払いがキャッシュフローの悪化につながってしまうリスクがあります。

その点、解約返戻金のない一般的な定期保険は保険料が安いので、キャッシュフローを圧迫してしまうリスクが少ないと言えます。

3. 社員の福利厚生を充実させられる

上に挙げた二つのメリットは、主に節税や会社の支出に関わるものです。

解約返戻金のない一般的な定期保険のもう一つのメリットとして、社員の福利厚生を充実させられることが挙げられます。

会社のお金で生命保険に加入できるのは、特に家族持ちの社員にとってはありがたいこと。

また、社員の福利厚生を充実させることで、優秀な人材を維持・確保できる環境を整えることができます。

一般的な定期保険を使う場合の注意点

一般的な定期保険を使って節税を行う場合は、次の3点に注意してください。

  1. 保険が満期解約となった場合は掛け捨てになる
  2. 加入する社員の人数によって経理処理が変わってくる
  3. 死亡保険金の受け取り人について明確に定めておいた方がよい

1. 保険が満期解約となった場合は掛け捨てになる

被保険者に不幸がなく、無事に満期解約となった場合には、保険は掛け捨てとなります。

養老保険など満期を迎えたときに満期解約金がある保険もありますが、一般的な定期保険ではお金は戻ってこないことは理解しておく必要があります。

2. 加入する社員の人数によって経理処理が変わってくる

一般的な定期保険では、支払い保険料の全額を損金にすることができますが、その項目としては「福利厚生費」と「給与」の二つのケースがあります。

全役員・社員が同じ条件で保険に加入する場合は「福利厚生費」、一部の役員・社員だけ保険に加入したり、契約内容が優遇されている場合は、「給与」となります。

会社としてはどちらも損金になる点は同じですが、「給与」になる場合は、被保険者である役員・社員の税負担が増えることになります。

特に経営者の場合は、会社として節税できたとしても、経営者個人の税負担が増えてしまうとあまり意味がないこともあります。

3. 死亡保険金の受け取り人について明確に定めておいた方がよい

一般的な定期保険を節税に利用する場合、被保険者である社員に不幸があったときに支払われる死亡保険金を誰が受け取るかは重要です。

選択肢としては被保険者の家族と会社の二つがあります。

一般的には被保険者の家族にした方が節税メリットがあります。

というのも、会社が死亡保険金を受け取ると雑収入と見なされ、法人税の負担が増える可能性があるからです。

もちろん、この場合も、会社が受け取った死亡保険金の全額を、被保険者の家族に死亡退職金の形などで支給すれば、法人税の課税分を相殺することができます。

なお、死亡保険金の扱いについては、社内で規定を作成して明確にしておいたほうが良いでしょう。

死亡保険金の扱いをめぐって被保険者の家族とトラブルになる可能性もありますし、また社内規定を作成しておくと税務調査が入ったときに有効な証拠として使うことができます。

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